God Knows...

God Knows...

Date: 2007/09/18

僕らは知ることに対してあまりに無防備だ。

落ちついて身の回りを見回してみると様々な「知る」が溢れていることに気づく。テレビをつければニュースに情報番組にバラエティに、流れ出る洪水のように情報が溢れている。僕らはそれを視聴して「知る」ことができる。

コンビニに行けば山のように雑誌を売っている。それらから適当に1冊手にし、パラパラと流し読みしただけで余程の情報が詰まってることが分かる。数多くの「知る」が印刷されて綴られている。

インターネットにアクセスすればリアルタイムで数多くの「知る」が流れている。ゴミのような「知る」から高尚な「知る」まで様々、その中をマウスで泳いでいるようなもんだ。

現代社会はあまりにも「知る」が多すぎる。とめどなく溢れる情報は僕らが望む望まないを関係なく否応なく「知る」ことを強いる。その圧倒的な量の「知る」が僕らから「考える」を奪ってるのではないだろうか。

例えば、一人の囚人がいたとしよう。その囚人には情報を一切与えない。何日も何日もあらゆるメディア、人との接触を奪って完全なる無の中に置く。何もない真っ白い部屋に入れておくといい。そして1冊の文庫本を与えたらどうだろうか。

おそらく囚人はその本を貪り読むだろう。例えそれが死ぬほど退屈な本であろうとも、死ぬほどクソな本でも、何度も何度も繰り返し読む。その本に書かれている情報を「知る」ために深く深く読み込むだろう。

「知る」が終わると次は「考える」だろう。ほかに情報のインプットがない、与えられた「知る」はこれだけなのだから、その本の内容を「考える」だろう。この作品を通して著者は何を言いたかったのか。ここでの主人公の心情はどんなものだっただろう。こんな展開ではなくこういった展開のほうがいいのではないだろか。「知る」の次に「考える」が現れるのだ。

しかしながら、現状の僕らのようにあまりにその「知る」が多すぎたらどうだろうか。次々と工場の生産ラインのように押し寄せる「知る」は僕らから「考える」を奪ってしまう。あまりにインプットが多すぎてそれを吟味する暇などない、結果、「知る」だけが僕らの中に蓄積されていく。

先日、100本あまりのエロ動画をダウンロードした時、僕はこの溢れる「知る」に気がついてしまい愕然としてしまった。元々僕はインターネットを利用したお手軽エロ動画ダウンロードに興味がなかった。いや、むしろ軽い憎しみすら抱いていた。許しがたい行為だとすら感じていた。

エロビデオってのは、まるで家に帰るまでが遠足だという有名すぎる格言のごとく、エロビデオコーナーで多くの同胞と戦って幾多の死線を乗り越え、カウンターで大学ではテニスサークルに入ってるんだろうなって感じの爽やか女店員の凍てつく視線をかいくぐり、ここで事故を起こしたら死んでもしに切れんとハラハラする思いで家路へ。鑑賞して、返却日に気だるい思いをして返しに行くまで全てをひっくるめてエロビデオだと思っている。だからおウチのパソコンでダウンロードポンッ!なんていうエロ動画が本当に許せなかった。

しかし、やはり僕も年頃の男の子。どうしても今すぐにエロいやつが見たい!という欲望には打ち勝てず、満月を見たゴクウみたいになってエロ動画をダウンロードしまくったことがあった。

エロ動画はものすごい。その量は圧倒的だ。いくら僕が頑張ってもやはり社会的体裁というか色々あるからエロビデオを借りたとしても7本くらいが限度だ。いや、むしろ旧作を7本借りると安くなるので7本しか借りない。それ以上でもそれ以下でもない、7本だ。しかしインターネットの世界には7本どころでは済まない大量のエロ動画が溢れている。

メイドのお姉さんが酷いことされてる動画だとか、ナースのお姉さんが性の回診をしてる動画だとかとにかく雑多なエロスが溢れている。欧米人が見たらビックリするかもしれない。それらの気になる動画をダウンロードしてしまくってやり、気づいたら100個近いファイルをダウンロードしていた。それらを興奮気味に鑑賞しながら上記の考えに至ったのだ。

とにかくエロ動画は興奮する。もう数々のエロい女がファイルごとに登場し、それぞれ違った趣を見せる。言うなれば雅だ。エロの雅がここにある。しかし、それらは何かが違うのだ。

無限大に近いほどにネット世界に溢れているエロ動画、それらはさして考えるまでもなくダウンロードするだろう。ダメな動画だったら消去してしまえばいいのだ。深く考えることなくどんどんダウンロード。どうせ山ほどあるんだ、さして考える必要はない。

そうやって手に入れた動画には思い入れも何もない。あれ、こんなのダウンロードしたっけと思うこともあるはずだ。そして、適当にゲージを動かして絡みの部分をチョイチョイ見る、そんな楽しみ方しかできない。

逆にエロビデオを考えてみよう。エロビデオを7本、7泊8日でレンタルする。旧作だ。新作はすぐ返却しないといけないし値段も高いので旧作だ。旧作を7本レンタルセット料金で少しお得だ。そうなるとどのような布陣で行くべきか考えるはずだ。3本は企画物で、2本は手堅く女優物でいこう。1本はインディーズに走って最後の1本は脱糞で攻めよう。おいおい脱糞いっちゃうかー!とニンマリ。他にも、このメーカーの作品は外れが多い。このシリーズは手堅い。この監督とは趣味が合わない。考えることは山のようにあるはずだ。パッケージに書いてあるエロビデオ情報を「知る」では収まらない、「考える」という行為が確かに存在する。

エロビデオに限らず、多くの場合でそうだ。あふれ出る雑多な情報は僕らを「知る」で留まらせている。「考える」を奪ってる。何も分かりにくいエロ動画の話しなくてももっといい例があった。ニュースだ。マスメディアが報じるニュースは毎日新しい事件が山盛りだけど、事件自体を振り返ることはそんなに多くない。それは「知る」で留まってるに他ならないのだ。

この「知る」のみで留まってしまってる行為、よくよく観察してみるとやっぱり身の回りに多い。嫌になるくらいに溢れている。例えば仕事場でこんなことがあった。

僕の職場は結構年代的区分がしっかりしてまして、団塊の世代、団塊ジュニア世代、松坂世代みたいな感じで歴然とした区分けがあるんですよ。で、僕が所属する20代後半から30代前半くらいの年齢群をなぜかビックリマンシール世代という訳の分からない呼び方してるんですけど、まあ、年齢的に見ても若手の1個上くらい、一番下っ端じゃないけど中堅でもないっていう微妙な立ち位置なんですよ。

でまあ、我が職場には一番下っ端の世代がプロジェクトを企画立案しプレゼンテーションするっていう行事があるんですよ。そのプレゼンでは若手の案やプレゼンに望む姿勢を一個上の世代、つまり僕らビックリマン世代が強烈に批判しなければならないっていう暗黙のルールがありましてね、それこそ自殺者がでるんじゃねえのってくらいに若手が徹底的に凹まされ、決して逆らうことの出来ない力関係を叩き込まれるんですよ。

多分まあ、上の世代の偉大さみたいなのを「知る」だけじゃなくて、凹まされることで実感させる、「考える」行為に通じるものがあり、非常に性格悪い行事なんですけどそのプレゼンに参加したんですよ。

僕らビックリマン世代と何か偉い感じの人が会議室のテーブルに座り、オドオドした若手が次々とプレゼンしていくんです。で、同世代の同僚達や偉い人達が次々とダメだししていくんですよね。見通しが甘いとか、分かりにくい、そんなのしてなんになるんだね、みたいな感じでガンガン行こうぜ!なんですよ。

僕はそれを見ながら、やばい、この若手どもの方が仕事ができる!とあまりの出来の良さに恐れ戦いてしまい、批判することもできず、誰かが批判した後に「そうだそうだ!」とか付け加えることしかできませんでした。とんでもない雑魚っぷりを発揮してやがる。

で、次々と血気盛んな若人たちがあたら若い命を散らしていたんですけど、そんな中にあって一人のヒョロッとした若手が壇上に立ったんですよね。おいおい大丈夫かよとハラハラしながら彼のプレゼンを聞いていたんですけど、彼が言い出すわけですよ。

「この件に関しましては徹底的に調査してまいりました。こちらの資料をご覧ください」

ヒョロっちい子が自信満々に言うわけですよ。逆に頼もしくなるくらい自信満々、血気盛ん、魑魅魍魎って感じで言うんですよ。

で、聞いてる我々に分厚い、それこそ夏休み前に貰う算数のドリルを思わせるような重量感のある資料を手渡してくるんです。こりゃあすごい、まるで彼の熱量が伝わってくるようだ、とペラペラと資料をめくるんですけど、僕はそれを見た瞬間に言ってやったんですよ。このまま雑魚では終わらない、村人Aでは終わらないぜって勢いで言ってやったんです。

「あのさ、調べるのは大変良いことだと思うし、よくこれだけ調べたなって思うんだけどさ、残念ながらこれは「知る」で終わっちゃってるんだよね」

まあ、職場でしょっちゅうファミスタやってる僕が言うセリフじゃないんですけどとにかく言ってやったんです。彼の資料は本当にテーマに沿ってよく調べてあったんですよ。それこそここまでやるかってくらいに調べてあった。でもね、その内容があまりにもあれだったんです。

テーマに関連した事柄が記載された書籍のコピー、関連した内容が記載されたインターネットサイトをプリントアウトしただけのもの、そんなものがただ綴じられているだけなんですよ。プレゼンの方を聞いてみても、この調べてる事柄に関してほとんど触れないんですよ。

「たぶん調べることで満足してしまったんじゃないかな。こんなの調べましたって結果だけポーンと渡されてもこっちは興味ないわけ。本当はその先が重要だなんだよ。調べたことによって君は何を思ったか、どのような結論を導き出したか、それがどう関連してくるか、それがないと何の意味もない」

彼もまた「知る」ことのみで満足してしまったのです。今の時代、ある事柄を調査しようと思えば本当に簡単です。検索ワードに入れてポンッとやればいくらでも関連するページが出てくる。それをプリントアウトして綴ってしまえば資料の出来上がりだ。あまりに簡単に大量の「知る」を手に入れられある程度の形になってしまう。だからその先にある「考える」を忘れてしまうのだ。

結局、そこからヒョロい子に対する総攻撃みたいなのが始まってしまいましてね、あれもダメ、コレもダメ、全部ダメ、もうダメ、みたいな感じになっちゃいましてね、終いには多分一番偉い人なんでしょうけど老師みたいな人が出てきて「君は明日やり直し」と告げるという地獄の展開。こうして嵐のようだったこの魔女裁判は終わったのでした。

その後、いやー、仕事してないのに偉そうに先輩面するのは疲れるぜーと肩の荷が下りた感じで職場のジュース販売機がある休憩所みたいな場所に行ってですね、ガコンとコーラを買って飲んでたんですけど、そうしたら何かメソメソとすすり泣く声が聞こえてくるんですよ。

なんだなんだ、ここにはタチの悪い自爆霊でもいるのか!と驚いて辺りを見回すとですね、さっきのヒョロい子がすすり泣いてるんですよ。うわー嫌なもん見ちゃったなーってのが正直なところだったんですけど、彼がすすり泣いているっていう事実を知ったからには考えて行動しなければなりません。

「どうしたのかな?」

僕を含むビックリマン世代があれだけ攻め立てておいてどうしたもクソもないんですが、やはり彼は先ほどのプレゼンにいたくショックを受けた様子。オマケに明日までに作り直してやり直すなんて無理だ、みたいなこと言うんですよ。

僕もコーラを飲みながらどうしたもんかなーって困り果てちゃったんですけど、まあ、僕が「そうだそうだ!」の雑魚キャラじゃあ体裁が悪いから彼の時だけ悪いところを指摘した、それが火種になって大爆発したっていう経緯がありますから、手伝ってあげることにしたんですよ。

「諦めんなって、手伝ってやるよ!」

クソッ!なんでこのシーンを普段は僕を毛虫の如く嫌っている女子社員どもが見てないんだと口惜しい思いをしつつ、二人はその師弟関係を育み、それと同時に休憩所に差し込んでいた夕陽が夜の闇へと変わっていったのでした。

「でも今日は夜遅いから明日の早朝からやろう、6時に集合だ!」

正直疲れ果ててましたので、明日の朝からやることを堅く約束し、それぞれの家路へと着いたのでした。

さて翌朝、手伝うと言った手前「眠いでちゅー」なんて言って行かなかったらマジで後味の悪い結末が待ってそうなので行きましたよ。約束の6時より早い5時半に到着し、共同作業場みたいな部屋でヒョロい子の到着を今や遅しと待ち構えていたんです。

まあ、仁王立ちで待ってるって訳にもいかないですから普通にデスクに座ってネットサーフィンなぞに勤しんでいたわけなんですけど、まあ、その、ほら、やっぱ、ほら、なんていうかエロっぽいページを見るじゃないですか。男の子ですし、そういうの見るじゃないですか。

でもさすがに職場からエロ動画をガッツリダウンロード!とか色々な意味で終わってると言うか先祖まで遡って頭の構造を疑われかねないと言うか、まあ、こう書いてますけど本当のところは本気で職場ダウンロードしててエドガーみたいな管理者に怒られたからなんですけど、やっぱ信じられない行為じゃないですか。

だから、動画も画像も我慢して主にエロい文章のみで楽しんでいたんです。エロい話題で盛り上がる掲示板を閲覧し、歴戦の猛者たちの書き込みを見てその滾る血潮をさらに沸騰させていたんです。で、そこで見つけた衝撃的な書き込みが僕の脳髄をズシンと揺さぶったのです。

投稿者:俊哉
この間、彼女にアナル舐めてもらったけどすげー良かったよ!もう舐めてもらわないといけない体に(笑)

(笑)じゃねーよ俊哉。ふざけんじゃねーよ俊哉。あのな、あまり言いたかないけどここは生々しい体験談を交えて皆で興奮を共有する掲示板なの。こうもっとどういった経緯で舐めることに至ったのかとか詳細がないと全然興奮できないじゃねえか。もっと考えろよな。

とまあ、俊哉がやけにムカつくのはいいとして、有益な情報を知ることが出来ました。アナルをペロリされると気持ち良い。これは貴重な情報ですよ。何度かアナルを舐められたという男性側の体験談は聞いたことありましたが、それらは全て征服感を満たすだけの行為だと認識しておりました。こんな汚いところを舐めさせちゃう俺、ワイルド?みたいな。気持ち良い、というユーザーの生の声を聞けたのは初めてかもしれません。

「アナルをペロリされると気持ちいいかもしれない」新たな情報を知ることができたのですが、ここで止まってしまってはダメです。その先にある「考える」に至らなければならないのです。

アナルをペロリされると気持ちいい、ということは女性にアナルを見せなければならないシチュエーションがやってくるということか。ペロリされる時はどうしても見せなければならない。どうしよう!恥ずかしい!見せるなんて恥ずかしい!

いやいや、その辺のアバズレにならいくらでも見せますがな。名刺に印刷して配ってもいいくらいですがな。でもね、もう大塚愛さんにだけは恥ずかしくて見せられない。顔が真っ赤になってしまって見せられない。大塚愛さんがペロリしてあげるよ、とか言っても恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ。

ここここここここうしちゃいられない!どんな状態かも分からないアナルを大塚愛さんに見せるなんて考えられない、あってはならない。ホント、早朝って人を狂わせますね、今まで自分でもほとんど確認したことなかった自らのアナルを確認しなきゃって義務感に襲われたんです。

早朝すぎて誰も居ないから大丈夫。ヒョロッ子が来るまでまだ時間もある。ホント考えるって大事だよな。考えるに至らず、ふーん、アナペロ気持ちいいんだって知るのみに留まっていたら見たこともない大自然のアナルを大塚愛さんに差し出すところだった。客人になんたる失礼なものを見せるんだってなるとこだった。考えたからこそシッカリ確認したアナルを差し出すことができる。

ええ、手鏡を使って確認しましたよ。そのポーズはとてもじゃないがマトリックス的だったとか言ってはいけないレベル。街中に張り出されたら自殺物、国辱物のポーズでしたが、なんとか確認したんですよ。

まあ、こういうことを書くと僕のことを天から落ちてきたエンジェルだと本気で信じていてpatoさんはウンコなんてしない!って幻想を狂信している女性読者の方は卒倒・・・ってそんな人いないですよね、普通に書きます。いやね、アナルモジャモジャだったわ。モジャモジャ、モジャモジャ、超モジャモジャ、略してアナモジャ。まるで密林の如くビッシリと茂ってるんすよ。密林ですよ、アマゾンですよ、amazon.co.jpっすよ。

うわーやっちゃったなー、そう思いましたね。いくらなんでもこんな海の端っこみたいな汚いアナルをペロリするのは大塚愛さんといえども難しいはず。どうしたものかどうしたものか。

新たに自分のアナル周辺が密林であったことを知ってしまった僕はそれだけで終わりません。知るだけで終わることが愚かなことだと分かってます。その先の考えるに突入しなければならないのです。

「うわービッシリだ、いくら愛でもこれは無理だよ」

「ダメかな?アナモジャだめかな?」

「愛の愛を持ってしてもダメね」

ダメだ!微妙に上手いこと言われて拒絶されてしまう。

もう剃ろう。剃ってしまおう。

ホント、朝方って人を狂わせますよね。僕の性格からいって思い立った時にやらないといつまでもアナモジャ、大塚愛さんが驚くことになりますので人として礼儀として剃らねばならないのです。

カミソリは、ある。僕は面倒なので最近はいつも職場でヒゲを剃るので立派なT字カミソリがある。時間は、ある。5時45分、約束の6時まで充分だ。いける、いくしかない。いける、やれるはずだ。

とりあえず、剃ってる現場を目撃されたら末代までの恥、というか末代の存在すら許されない状況になるのは明白。最悪の事態を回避するために職場のドア鍵を堅牢に閉めます。っていうか、アナル観察してる時に鍵閉めろよな。

シェービングクリームみたいなのもあったんですけど、そんなのアナル周辺に塗ったら別のプレイみたいなのでやめておきました。完全に素で剃ることを決意。鋭利なT字カミソリをアナルに近づけます。

いやね、やってみたことある人なら分かると思うけど、これが結構難しいんですよ。T字カミソリって読んで字のごとくT字じゃないですか。でまあ、お尻って谷みたいな構造になってますよね。これがもう、とにかく剃りにくい。T字の部分が谷間に入っていかんのですよ。とにかくこのままでは大塚愛さんがビックリしてしまうので何とか強引に谷間を広げて刃を谷間へ・・・。もう下半身裸で片足椅子に乗っけた状態ですよ。親が見たら一瞬で天涯孤独にされかねない体勢ですよ。とにかく・・・なんとかして・・・剃らないと・・・。

ズシャアアアアアアアア

アナル切れたー!いやいやいやいやいや、正確にはアナルの横の婆さんの肌みたいになってる部分ですけど、アナルから見て3時の方向にザッシュリと切り傷が。男性の方なら分かると思いますけど、カミソリで切った傷って物凄い血が出るんですよね。ひいいいいいい、ポタポタ血が出てるー!血がしたたたたたたたたってるー!

コンコン!

そこにドアをノックする音ですよ。あまりに狼狽した僕は

「誰だ!」

「○○です」(ヒョロッ子)

「何しにきた!」

「いや、今日の準備に・・・」

自分で呼んどいて誰だ何しに来たもないんですけど、とにかくこの現場だけは隠滅しなければなりません。出血を何とかしないといけないのでティッシュを棒状にして尻の谷間に押し込み、神々の如き素早さでズボンをはく、そしてカミソリの処理と、床に滴った血を掃除、同時に床に落ちたモジャ毛も処理します。

「おはよう。さあやろうか」

ドアを開けて、まるでアナルなんか剃ってなかったっていうサワヤカ顔で彼を招き入れます。で、二人でPCの前に座ってプレゼンの準備ですよ。

「言ったろ、知るだけじゃダメなんだ。この知った資料をどう活かすかが大切なわけだ。考えるんだ。」

って凄い男前の、カクテル飲む時みたいな顔で言ってるんですけど、尻からはドクッドクッって心臓の鼓動に同調して血が出てるのが分かるんですよ。

「だから、この資料を丸でポイッて渡されても困るだろ。誰も読まないよ。自分なりに何が読み取れるかまとめて解説すればいい。都合の良いとこだけつまみ食いでいいんだよ」

ってすごい男前の顔で、娘さんをくださいって言う時みたいな顔して言ってるんですけど、尻のほうは臨界点。谷間に詰めたティッシュでは吸いきれないくらい血が出てるのが分かるんですよ。クソッ、ナプキンが欲しい。

結局、なんとかプレゼン資料の方も目処がつきましてね、発表時間までには間に合いそうな様子。安心したヒョロッ子が言うんですよ。

「ほんとありがとうございました。patoさんが先輩で俺、俺、よかったっすよ!マジ尊敬してます!」

フフフフフ、その尊敬する先輩は今まさにアナルから血を出してるけどな。それもかなりの量をな!

「じゃあ自分の持ち場に戻るから」

椅子から立ち上がるとティッシュに吸収されなかった血が椅子に染み出してそうで、それを見たヒョロッ子はその血液の理由を知ろうとするに違いない。そして心を入れ替えた彼は知った先を考えるだろう。何故そうなったかを考えるだろう。そうなってしまっては先輩の尊厳台無し。アナルっ子などと呼ばれて石を投げつけられるかもしれない。

椅子についた車輪を利用して滑るように部屋から出て行こうとする僕。

「椅子のままいくんですか!?」

「その理由は知らなくていい」

颯爽と長い長い廊下を朝日を浴びて椅子のまま滑る僕、出勤してきた多くの人とすれ違って怪訝な目で見られたけど、その理由を知るものはいない。知られてはいけない。

多くの「知る」は「考える」ことを停止させる。しかし、いくら「知る」が沢山あろうとも、「考える」に至らないそれは何の意味もない。

「知識」という言葉を国語辞典で引いてみると「知ること。認識・理解すること」としっかり書かれている。知っただけでは知識に成り得ないのだ、知って考えて理解してこそ初めて知識になる。雑多な情報に触れて知っただけで知識が増えたような顔をするのは大間違いなのだ。

情報過多なこの時代、僕らは「知る」ことに対してあまりに無防備すぎる。そして、僕らの「尻」もあまりに無防備すぎる。ちょっと剃っただけで切れるなんて。

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