習慣という名の病

習慣という名の病

Date: 2003/12/13

めっきりと寒くなりました。比較的雪が降らないとされる広島県でも山間部では猛吹雪、スキー場は大喜びのようです。そんな寒い12月ですが、街中を歩いていてこんな場面に遭遇しました。

なにやら女の子3人組が暖かそうなコートを着て談笑していたのです。そこまでは普通に良くある光景なのですが、その会話の内容がとにかく凄かった。僕の心を締め付けて止まなかった。

3人組の婦女子は見るからにアンバランスな構成でした。見るからに不釣合いというか何というか、とにかく注目せずにはいられない異次元が存在していたのです。

3人組のうち、2人はムチャクチャカワイイ娘でした。もう、なんというか、今時の女子大生といった感じで、イイナオンを地で行く感じでしたね。1人が矢田亜希子似、もう1人が若槻千夏似という鉄壁のシフト、この2人がいれば何度でも勃起可能、そう思わせるほどのポテンシャルでした。

そして、残ったもう1人は・・・。いやいや、僕のようなカスが人の容姿をとやかく言えるようなレベルではないのは分かってるんですけど、なんというか、その、あれなんですよね。すっげえブスなの。とにかくブスなの。別な意味で鉄壁のシフトだったよ、あれは。

そりゃね、僕かて「ブスは存在するな」とか「町を歩くな」とか「やーい、ロボット超人」とか言わんですよ。自分がそんな事言えるポテンシャルでないことは重々承知してますし、それに、そういうので人を判断するのは悪いことだとは言わないですけど、良くないことだって分かってますし。

でもね、どんなに綺麗事で「人間は顔じゃない、内面だ!」って言っても、それってやっぱり限度がありますやん。やっぱ人間が他者に好感を持つ時って、顔による影響に拠る部分が大きいと思いますから。それってば仕方ないことだと思うのです。性格良ければいい、そんなの、うっそ!だと!思いませーんかーって広瀬香美さんがお怒りなのももっともだと思います。

だからね、さすがにこれはあんまりだと思うんだ。見るに見かねてあんまりだと思う。だってさ、すっげえカワイイ子2人に、島田伸介みたいな女の子が1人だぜ。矢田に若槻、それに島田だぜ。さすがにそのトリオってのは無しだろ、そう思うじゃない。

しかもその3人の会話が物凄くて、

矢田「イブさー、彼氏がパーティしてくれるみたいでさー」

若槻「ウチは家族と過ごさなきゃなんないからなぁ。でも、夜には抜け出してドライブに行くんだけどね」

矢田「あ、いいなー。夜景とかみちゃうんだ」

若槻「去年のクリスマスプレゼントがさあ」

とか、島田そっちのけでクリスマストーク。もうモロにクリスマス彼氏とラブラブトーク。これにはもう涙を禁じ得なかったね。涙で前が見えなかった。

だってよ、島田の気持ちにもなってみろよ。カワイイ2人に挟まれて、クリスマストークかまされてる島田の気持ちにもなってみろよ。それはもう、童貞がヤリチンに挟まれてコンドームの装着の仕方とか語られるのと同じだぜ。俺なら耐えられん。斬る、間違いなく斬る。

しかも、その後に島田が放ったセリフってのが涙もんで

島田「わたしは・・・イブは1人でプレイステーションやってるかなぁ・・・」

とか、もう涙無しでは語れない、聞くも涙、語るも涙のセリフを放つんだよ。もう聞いた瞬間に、真っ暗な部屋で薄ら笑い浮かべながらゲームやってる島田の顔が浮かんだもの、ブラウン管の光だけが反射する島田の顔が浮かんだもの。もう涙で前が見えない。

矢田「うっそー、じゃあさー彼氏が要らないって言ってるプレステのゲーム貸してあげようか?」

そこに矢田がトドメの一撃ですよ。綺麗な顔しやがって、鬼のようなトドメの一撃ですよ。

そりゃな、親切心から「彼氏のゲーム貸してあげようか?」って言ってるかもしれませんよ。でもな、明らかに自虐傾向に走ってる島田に対してそこで親切心は大きな間違い。俺だったら間違いなく言われた瞬間にナタで頭の皮剥いでるわ。それぐらい怒りをかうセリフだよ、これは。

でも、当の島田は怒る様子なんて微塵もなくて

「ありがとう、じゃあイブはずっとそのゲームやってる。クリアーしちゃうぞー」

とか、少し自虐的にはにかみながら、それでも目は笑ってなくて、なんだか悲壮感漂う感じでコントローラーを握る仕草をしてました。これを悲劇といわずして何を悲劇というのか。

習慣って怖いよな。僕はその光景を眺めながら、その島田を眺めながら、ただただそう思ったのでした。

きっとさ、島田は自虐的に自分を貶める習慣がついてるんだと思う。自分はいつだって喜劇のヒロインで、自分を貶めて嘲笑う、カワイイ友人に挟まれるうちにそういう習慣がついてるんだと思う。

だってさ、別に適当なこと言っておけばいいじゃない。イブの予定ぐらい、見栄はって、「イブの夜は彼氏と野外おセックスにチャレンジ」とか、「イブの夜は彼氏と組体操おセックスにチャレンジ」とか言っておけばいいじゃない。それぐらい誰も咎めないと思うよ。

なのに島田は自らを嘲笑する自虐的な習慣があるから、半ばピエロみたいになっちゃって「イブの夜は1人でプレイステーション」とか言っちゃってるわけ。カワイイ友人2人がイブの夜は彼氏と別の意味でプレイステーションだっていうのに、自嘲と自虐を込めてプレイステーション。

いやな、正直なことはいいんだけど、もっと前に歩き出さなきゃ。そうやって習慣的に自虐したって全然前に進めないよ。一歩も前に進めないよ。もっとこうさ、自分の容姿なんかで自虐的にならず、どっかの女子柔道選手みたいに豪胆に野球選手を捕まえるとかしなきゃ。いつまでたっても進まないよ。

とまあ、単にすれ違っただけの島田に対してすごく心配するのですが。彼女があらゆる場面で自虐的であるように、そうやって生じるある種の習慣というのは、とても恐ろしいものだと思うのです。習慣という名の病というかなんというか、とにかく恐ろしいものだと思うのです。

僕は今のところ狂ったように書類を書きまくり、それこそ仕事の鬼、鬼の仕事と言わんばかりに働いているわけなんですけど、そこでもげに恐ろしき習慣という名の病が顔を覗かせることがあるのです。

「高機能性な感光樹脂の開発」

僕が今やってる仕事はこれなんですよね。感光樹脂とは読んで字のごとく、光にセンシティブに反応して何らかの変化を見せる樹脂でして、これを利用して製版システムとか色々な分野で応用されているものなのです。で、それを色々と改良して高機能化するのが僕の仕事。

それでまあ、現在狂ったように書いてる書類も当然ながらそれに関することでして、100枚近い書類の中に狂ったように「高機能性感光樹脂」って単語が出てくるんですね。今検索してみたら563個出てきてました。

それでまあ、その書類を直しつつ、ざっと眺めていたのですが、そこで途方もないことに気がついてしまったのです。

結論を述べると、今回合成を行った高機能性感光樹脂は、従来の物に比べ・・・・

とか、書類に書いてたりするんですけど、なんか改行が凄い場所があって、

結論を述べると、今回合成を行った高機能性感
光樹脂は、従来の物に比べ・・・・

とかなってるんですよ。ページの横幅の都合で仕方なく改行されているんですけど、とにかくとんでもない場所で改行されてるんです。

え?なにが凄いか分からないって?えっとですね、

結論を述べると、今回合成を行った高機能性感
光樹脂は、従来の物に比べ・・・・

ですよ。なんかも「性感」って言葉が真面目な書類に踊り狂ってるんですよ。いやいや、「性感」っていったら「性感マッサージ」だとか「性感ヘルス」だとか、エロスな風俗店の枕詞ではないですか。それがもう、何十個も真面目な書類に踊り狂ってるの。数えてみたら51個ありました。

いやな、習慣って恐ろしいよな。ホント、恐ろしい。普通だったらさ、そんな「性感」の部分で改行されてようがなんだろうが、全然気付かないじゃない。気付いたって特段気にしたりしないじゃない。

でもな、こんな下劣なるサイトで文章書いてるもんだから、下劣なワードにセンシティブに反応する習慣がついちゃってるんだな。これが。もう、童貞中学生の如く「性感」にビンビンに反応しちゃってるの。教師ビンビン物語かってんだ。

そうやって見てると、もう書類見るだけで、上みたいに「性感」の部分だけが太字に見えちゃってさ。さすがにサイトの日記ならまだしも、真面目な書類で「性感」で改行はマズイだろ、とか思っちゃうわけ。

それでまあ、色々と文章を弄ってみたり、フォントの大きさを変えてみたり、横幅を変えてみたりして、「性感」の部分で改行が入らないように頑張るんだけど、やっぱ500個以上も「高機能性感光樹脂」って単語があるからな、絶対に何個かは「性感」になっちゃうんだわ。ただでさえ終わりの見えない仕事なのに、さらに大変なことになっちゃってるの。ホント、習慣って怖いよな。

でまあ、上司とその書いてる書類についてディスカッションするんだけど、

「さすがに、ここで改行はいるのマズいっすよね?」

「なんで?なにがまずいんだよ?」

「いや・・・あの・・・その・・・」

「何か変な場所あるか?」

「ですから・・・・・」

「煮え切らないヤツだ、言ってみろよ」

「ですから・・・その・・・せ・・・せ・・・性感とか」

とか、オマエは女の子にエロい言葉を言わせたいセクハラオヤジかっていうやり取りがあって、徹底的に辱められたりするのです。ホント、習慣って怖い。

下劣なるワードに反応する習慣さえなければ、書類の仕上がりが遅くなることも、上司にエロい言葉を言わされて辱められることもないのです。そして、冒頭の島田も、自虐的になって自分で自分を傷つけることもないのです。本当に習慣という名の病は恐ろしいものです。これはもう病気ですよ。

でもまあ、最も恐ろしい習慣といえば、上記の様な徹底的に恥ずかしい体験があったにも関わらず、「これは面白い、早く日記に書かねば!早く!早く!」と、心ここにあらず、とにかく日記を書きたい衝動に駆られたことでした。ありゃ病的だった。

面白いことがあったら書かずにはいられない。その習慣に襲われ、忙しい仕事そっちのけで日記を書いてる、それこそが最も恐ろしい習慣だと思いました。もうこりゃ病気だ、病気。

ということで、サイトくらいしか心の拠り所のない僕のようなカスは、クリスマスイブは1人で寂しくネットラジオやろうと思います。(島田より自虐的な習慣)

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