風俗ゲーム VSヘルスズキ 前編

風俗ゲーム VSヘルスズキ 前編

Date: 2003/07/30

いやー、参った参った。

何が参ったってB子のヤツですよ。我が職場のマッスル事務員B子。女性であり、しかも20代前半というフレッシュ盛りでありながら筋肉隆々、腹筋もおそらく6つに割れており、しかもアゴが割れてるB子ですよ。

これまでに、このB子のあり得ない大暴れについてNumeri日記でも多数報じてまいりました。女性なのに16ポンドのボウリング玉を軽々と投げ、しかも180というハイスコアを叩き出したり、バレンタインチョコを貰ってないのにホワイトディには返せと大暴れしたり。とにかく未曾有の大暴れ、獅子奮迅の大暴れで御座いました。

そんな、我が職場のトラブルメーカーおよびヘラクレス事務員ことゴーレムB子ですが、つい先日、こんな事件を巻き起こしてくれました。

週明けの月曜日、ガツガツガツ!と採石場のような途方もないハイヒールの音を響かせてB子が出社してくる。

「おはよーございますぅー」

元気良く職場のドアを開け、意気揚々と出勤してきたB子のいでたちは、まさに異様、異様、異様。異様以外表現しようがないほどトリッキーなスタイルを見せつけてくれた。

いやな、何をトチ狂ったのかしらねえけど、B子のヤツ、頭にパーマネントをあててやがるんですよ。あのゴーレムB子がパーマネントですよ。成功パーマならまだしも、明らかに失敗パーマですよ。

その姿はまさにカリフラワーをかぶったゴリラだとかピグモンだとかいった表現が適切で、僕がジャングルをさ迷っていてこんな生物に出くわしたら間違いなく麻酔銃で撃つ、そいでもって野生動物保護局に連絡するね。それほどにありえないパーマだったよ、B子のパーマネントは。もう、小さい子供とか見たら泣いちゃうんじゃないだろうか。

でまあ、明らかにウケを取りにきてるとしか思えないんですけど、やっぱ僕らって心優しいではないですか、なんというか、女性を立てる英国紳士ではないですか。だからね、他の同僚どもは

「あらあら、けっこうなパーマネントですこと」

と言わんばかり、遠まわしにB子の飛び道具としか思えないヘアースタイルを褒めちぎってやがるんですよ。「すっごく似合ってる」とか心にもないことばかり言ってやがるの。確かに野性的に似合ってるちゃあ似合ってるんだけど、いくらなんでも誉めるとかあり得ないから。

でまあ、みんなが心にもないお世辞で誉めるもんだから、B子のヤツも調子ぶっこいちゃって、「そんなに似合う?ウフフ」とかおぞましいポージングで言い放ったりするんですよ。誰か麻酔銃もってこい。

失敗パーマという十字架を背負ったB子が、まるで天真爛漫な小娘のようにオフィス内を「うふふ、パーマかけちゃいました」と闊歩する様はまさに地獄。カリフラワーの化け物が暗躍する地獄のマンデーオフィス。誰か麻酔銃もってこい。

でまあ、僕としましては、あまりに調子に乗りまくるB子に、少し引き気味にその様子を見守るカス同僚どもなんて関係なく、仕事の鬼と化してパソコンに向かっておりました。エクセルだとかワードだとか開いて、もうブリブリとビジネス資料を作成しておったんですわ。

そしたら、

「patoさん、ちょっとよろしいですか」

とか、すごく進化した食虫植物みたいな頭したB子が接近してくるではないですか。メデューサみたいな頭したB子が接近してくるではないですか。やばい!石にされてしまう!と逃げようとした瞬間には時既に遅く、もはやB子から逃げられないような状態になってました。ヘビに睨まれたカエルみたいになってた。

「実は、ちょっと相談したいことが・・・」

ハッキリ言って、B子がこうやってシリアスに話しかけてくる場合、ロクなことがありません。アホのように面倒な仕事を押し付けられたり、生理用品を買いに行かされたりするのが関の山です。ですから、僕も少し物怖じしながら

「う・・・うん・・・なに?」

とか、少し乗り気でないことをほのめかしながら返答したんですよ。けれども、カリフラワーをかぶったゴリラはそんなことはお構いなしに自分の話を進めるんです。

「実は・・・鈴木さんのことなんですよ・・・」

鈴木さんとは、我が職場の同僚であるヘルス大好き鈴木君、略してヘルスズキ君のことです。彼は三度の飯より風俗好き、ヘルス好きで、「俺、死ぬ時はヘルスでって決めてるんだ」などと何のためらいもなく言ってのける豪傑です。

そんな風来坊のような風俗好きでありながら、このマッスルボマーB子と内緒でオフィスラブをするという、神をも恐れぬ男です。荒ぶる神々のように「女なんて穴があればいいんだぜ」と言わんばかりにヘルスにB子に大車輪。ホント、チンコに脳みそがあるような男なんですよ。

で、どうやら、B子さんはステディであるヘルスズキのことで悩んでいる。相談しようにも内緒のオフィスラブで、彼らの関係は僕しか知らないと言う状況。だから仕方なく僕に相談してきたのだと思います。ホント、損な役回りだ。

「鈴木さんなんですけど・・・もしかしたら、またヘルスに行ってるんじゃないかと・・・」

B子さんと付き合う際、ヘルスズキは風俗店などには行かないと誓ったそうです。彼女がいるのに風俗なんか行くもんか、とあのヘルスズキが言ったそうです。

なのに、その約束も守らず、B子をほっといて風俗三昧のヘルスズキ。その傍若無人な振る舞いにB子さんはいたくご立腹してるらしいのです。

「行ってる可能性は高いと思うんですよ。いつも夜遅くまで帰ってこないし、お金の減りが早い。しかもなんか、彼のパソコンのブックマークって、未だに風俗店のホームページばかりなんですよ」

などと神妙に言うB子。その真剣さは相当なもので、ヘルスズキから直接、「へへ、今日もヘルス行ってくるから早帰りな、予約してるんだ」といった言葉を聞いている僕ですら、「うん、絶対に行ってるよ」などとは言えない雰囲気でした。言おうものなら勢い余って僕が殺されるに違いない。

「もしかしたら、昔に通ってた癖が抜けず・・・今でも行ってるかもね・・・」

と僕も無難な返答をするんですが、

「でも!あの人約束したんですよ!それなのに!それなのに!」

とか僕の首を千切りとらん勢いで猛烈にタックルしてくるんですよ。戦国時代の武将みたい殺気で迫り来るB子。カリフラワーゴーレムが、血走った目で猛烈に突進ですよ。ホント、殺されるかと思った。

「ほら、でもさ。やっぱ今でもヘルス行ってるって証拠がないじゃん。証拠がないことにはどうしようもないよ。本当は行ってないかもしれないしさ」

とか、我が身かわいさから言っておりました。間違ってもヘルスズキの肩を持つとかそういった発言ではなく、こうでも言わないと間違いなく殺される、そう思っての発言でした。

「そこなんですよ!問題は証拠なんですよ!」

と待ってましたと身を乗り出すB子

「でしょ、証拠が必要だよ」

と、僕もそれに応じます。

「だから、patoさんが証拠集めてきてくださいよ」

は?

いや、ちょっと待って。何で僕が、君らカップルのために探偵みたいな真似をしなきゃならないの。何で僕がそんなことしなきゃならないの。とか思うのですが、B子の勢い止まらず。ブレーキの壊れたダンプカー、ノンストップ超特急B子はさらに続けます。

「だから、今夜にでも退社する彼を尾行してください。それで、ヘルスに行ったのか、行ったのなら何という店にいったのか、それを詳細に報告してくださいよ」

とかムチャクチャなこと言い出すんですよ。

さすがにこれって、ヘルスズキのプライバシーの侵害ではないですか。それに、いくらB子の頼みやら脅迫とはいえ、同僚である鈴木君を売るような真似できないじゃないですか。いくら僕だって、ちょっとぐらいの義とか任侠を重んじるってなもんですよ。

「冗談じゃない、断る。そんな同僚を、友人を売るような真似できるか。姑息にコソコソ尾行なぞ、そんなことしてられるか、ワシャ忙しいんだ!」

もうね、毅然と言ってやりましたわい。B子に掴まれて乱れた襟を正しながら、毅然と言ってやりましたわい。全ては同僚を守るため、全ては親友をかばうため、猛獣と化したB子に果敢に立ち向かう僕。ホント、この時の僕はムチャクチャ男前だったと思います。誰が好き好んでそんな姑息な真似するか。ホント、同僚を売るような真似できるかってんだ。考えて物言え、このカリフラワーめ。

「尾行し報告書かいてくれたら、お礼に焼肉かお寿司でも奢ろうかと思ったんですけど・・・」

「で、決行はいつなんだい?今夜かい?」

「ええ、今夜はワタシ、彼の部屋には行かず自分の家に帰ることになってるんです。それに銀行でお金を下ろしてましたから、今夜絶対に行くと思うんです」

「わかった、任せとけ」

「よろしくおねがいしますね」

「うん、焼肉もよろしくな」

「はい」

などと、鈴木のプライベートや人権など焼肉より軽いわ、と言わんばかりにトントン拍子で話がまとまったのでした。

こう見えても、僕は風俗ゲームのプロプレイヤーです。海千山千の剛の者相手に、彼らが風俗店に入るまで尾行しまくってきた男です(風俗ゲーム参照)。普通に考えて、ヘルスズキを尾行することなど容易すぎる。

「じゃあ、おさきにー」

ウキウキ気分で退社するヘルスズキ。僕はB子とアイコンタクトを交わし、ヘルスズキの尾行を開始するのでした。オフィスを出る際、朝以上にB子のカリフラワーが逆立っていたのに気がついた僕は、失敗は許されない、失敗したら殺されるに違いない、と武者震いが全身に襲いかかってきたのでした。さあ、風俗ゲームの始まりです。

風俗ゲーム番外編-VSヘルスズキ-長くなりすぎたので続く

次回予告

「うわ!鈴木さん、そりゃないっすよ!」

「やりすぎですってば!」

「もう堪忍してください、鈴木様!」

阿鼻叫喚。僕の魂の咆哮が風俗街にこだまする。乞うご期待!

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