Wait&See~アナル~

Wait&See~アナル~

Date: 2003/07/24

常々思うことだけど、何につけても準備をするってのは大切なことだと思う。備えあれば憂いなし、なんてよく言ったもので、準備をするのって本当に大切なことだと思う。

例えば、今僕の目の前にランプの魔人が現われたとする。「オマエの願いを何でも3つだけ叶えてやろう」なんて言われちゃったりなんかしたらどうだろうか。

普段からランプの魔人の到来に備え、心の中でしっかりと準備をしていようものなら、冷静に「お金くれ」「地位をくれ」「名誉をくれ」などと欲望の限りを尽くして3つの願いことを言うことができる。

しかしながら、悲しいことに殆どの人間がランプの魔人の到来に対して準備できていないのが現状だ。「3つの願いを叶えてやろう」という問いかけに対して、シドロモドロになりながら、

「女子高生のオッパイ揉みたい!」

「ナースのオッパイ揉みたい!」

「知的で気の強そうな美形女性のオッパイを揉みたい!」

などと、無下にも文字通りオッパイ三昧で3つの願い事を消費してしまうのが関の山。一通りオッパイを揉み終った後に死ぬほど後悔するに違いない。

何もこんな端的な例だけではなく、他にも例を挙げるとキリがない。例えば、松浦亜弥が突然、「迷うなぁ~!セクシーなの?キュートなの?どっちが好きなの?」とか、すっこしでも気を引きたい純情な乙女心で訊ねてきたらどうしますか。

普段から、「オレはセクシーが好き」とか「いやいや、キュートが好きですぞ」と、準備していれば即答も可能なのですが、準備不足故に「オッパイが好き!」などとトンチンカンなことを口走ってしまうこともあるのです。これにはさすがのあややも怒らざるを得ない。

とまあ、とてもあり得ないようなシチュエーションを列挙し、迫り来る事態に対する用意周到な準備の必要性を説いたわけですが、実は僕らは、あり得るシチュエーションなら無意識下のうちに準備をしているんです。自分では気付かないまでも、僕らはあらゆる最悪の事態に対して準備を怠っていない。

僕らは自分で思っている以上に弱い存在だし、ちょっとしたことで泣いたり落ち込んだり。ある悲しい事実に直面した時、心の準備が出来ている場合と出来ていない場合では、その落ち込み方は計り知れないほど違いすぎる。

長い間付き合ってきた恋人の様子が、最近富におかしい。妙に余所余所しいし、電話をかけてもすぐに切ってしまう。風邪がうつるといけないからってキスを避けるようになった。そういう場合、殆どの人間が最悪の事態を想定する。もしかして、他に好きな異性が出来たんじゃないだろうか。僕に飽きたんじゃないだろうか。別れという最悪の事態を予め想定し、やがて来るであろうその時の絶望感を、少しでも和らげようとオブラートに包む作業にかかるのだ。

「そろそろあれかな?」、心の準備をした上で別れを告げられる場合と、まったく予想だにせず、寝耳に水の状態で告げられるのでは心理的ダメージが大きく違うのだ。

心が壊れてしまわぬよう、みっともないほど取り乱してしまわぬよう、常に最悪の事態を想定し、心の準備を行うのだ。それが無意識下での準備というもの。

無意識下での準備とは、こういったセンチメンタルジャーニーな心理的側面だけでなく、自分の身を守るために随所で見られるもの。例えば、いつもいつも上司に殴られているダメ社員は、上司が頭を掻こうと右手を挙げただけでビクッと身構えることがある。自分の身に降りかかる危険に対し、無意識下で準備をしているのだ。

心も身も、どちらの場合も自分を守るために無意識下で準備を行う。けれども、中には全く防御的側面がなく、しかも逆に自分の身を危険に晒す無意識下の準備もある。

先日のこと。とある資料を漁りに街の図書館に行った際に、僕は急に便意をもよおした。いつもならここで熱烈にウンコがしたくなり、トイレに駆け込むも個室は超満員札止め。ソールドアウト。気が狂いそうなほどに便意の塊となった僕は、誰も来ないであろう経済史コーナーに駆け込んで勢い良く脱糞。しかも本の1ページを破って尻を拭くという暴挙に出るはずなのだが、あいにくこの時は尿意が降り注いできていた。

便意に比べれば尿意など容易い物。尿を我慢するなど赤子の手をひねるようなものだわ、がははは。などと妙に自信満々で我慢をしていたが、やはりどんなものにも臨界点は訪れるもの。我慢しきれなくなった僕はイソイソとトイレを探し始めた。

あまり来ない図書館であるので、トイレの位置が皆目分からず、一瞬だけ、やばい、漏らしてしまうのか。この僕は26歳にもなって図書館というパブリックスペースで尿を漏らすのか、などと不安になったが、それもすぐに杞憂に終わる。

カウンタの前に見紛う事なきトイレの案内表示を見つけたのだ。紳士と婦人のイラストが青と赤で描かれた御馴染みのイラスト。この絵を見て100人が100人ともトイレを連想するから素晴らしいものだ。

「やった、トイレだ」

これで漏らすという最悪の事態は避けられた。喜びの表情で小走りにトイレへと走る僕。

ここのトイレは、少し奥まった場所にあるようだった。やはり、トイレは汚れた場所であるという印象からか、少し奥まった場所に設置されることが多い。図書館のフロアの広大さとは対照的に、人一人通れるかどうかの狭い通路を歩いてトイレに行くようになっていた。

安心しすぎるトイレ表示を眺めながら、その狭い通路を歩いてトイレへと向かう僕。そこで無意識下の準備が発動してしまう。

全く意識していないのに、トイレに向かうとなると、トイレの案内表示を見つけると、無意識のうちにジッパーを下げ、チンコを出して臨戦態勢を取ってしまうのだ。チンコを出した状態でトイレへと突入し、もう入った瞬間に排尿を行えるよう、無意識のうちに準備をしてしまうのだ。別に心や身を守るためではなく、ただただ早く排尿したいがための準備。

どうせトイレへの通路など奥まった場所なのだ。人の気配もしない。ならば安心と、狭い通路に入った瞬間にはモロンとチンコを出してトイレに向かって一直線。便器に向かって大車輪。あり得ない勢いでトイレへと向かっていた。そして、そこであり得ない事件が。

いつも用を足す便所、いわゆるホームでは、この通路が絶妙に短いためこのように臨戦態勢でトイレに向かっても何ら問題はなかった。しかしながら、この図書館のトイレ、トイレ入り口案内表示からトイレ本体までが異様に長い。妙に複雑な通路で、とんでもない長さを誇ってやがる。図に描くと

画像

な・・・ながっ!!

どんな罠なのか知らないけど、異様に曲がりくねっており、しかもやけに行程の長いトイレへの道。距離にして30メートルはあったかもしれない。トイレ入り口から臨戦態勢で、無意識のうちにチンコ出しながら走ってる僕も、さすがにこれは笑うしかない。さすがに途中で引っ込めるのも負けた気がするので、引っ込めぬまま笑顔でランナウェイ。チンコを孤独のランナウェイ。

それだけなら良かったものの、どうやらこの先のトイレには女子トイレも併設されているらしく、遥か先のほうから女性が歩いてきたものだからさあ大変。

優雅にトイレから出て、花柄のハンケチーフで手を拭きながら歩いてくる品の良さそうな女性。さすが図書館に来るような女性は違う。この品の良さそうな上流階級の女性のオッパイを・・・・ってそういう場合じゃない!

そう、今まさに僕はチンコを出して走ってるんですよ。しかも、あまりの距離の長さに半笑いしながら走ってるんですよ。これはもう、どっからどう見ても変質者以外の何者でもない。有無を言わさず逮捕、30日ばかり拘留されても文句言えない立ち振る舞い。たかだか、速攻で排尿したばかりの前準備、それで人生終わったなと思いましたよ。

けれども、その上品そうな女性。半笑いで照れくさそうに、チンコ出しながら迫り来る僕に向かって、「ごきげんよう」と言わんばかりの満面の笑み。オマケに僕のイチモツを見てクスリと笑いやがる、ときたもんだ。これには逆に変質者サイドの僕のほうがビックリ。いやいや、変質者じゃないよ、チンコ出したのはあくまで不可抗力だよ。

もしかしたら、彼女はあらかじめ、「トイレから出たら男がチンコを出しながら走ってくるかもしれない」という心の準備ができていたのかもしれない。もしくは、僕のアレがあまりにア リトルで笑われたのかもしれない。そうじゃなければあの落ち着きようは説明できない。と、やっとの思いで排尿しながら考えたのでした。

このように、逮捕の危険にさらしてくれる無意識下での準備。自分の心や体を守ってくれる準備は良いのですが、さすがにこういった人生終わるかもしれない準備は止めたいものです。

あ、そうだ。

「変質者のような行為をしても逮捕されないようにしてくれ」

「チンコを笑われないぐらいビッグマラーにしてくれ」

「図書館トイレの通路を短くしてくれ」

ランプの魔人が現われたら、この三つをお願いしてみようと思います。これで焦って下手なお願いをする危険が減少した。こういう準備が大切なんだよな、準備が。

それにしても今日の日記タイトルは酷い。なんだこりゃ。

名前
コメント