ラブストーリーは突然に

ラブストーリーは突然に

Date: 2003/03/21

ラブストーリーは突然にやってくる。

計画的に始まる恋なんて恋じゃない、いつだって恋は突然で身勝手なもの。ある日ちょっとしたキッカケで恋に落ち、そのまま恋に身を任せて彷徨いながら泳いでいく、そうやってラブストーリーは始まるんだ。そう、突然に。

というわけで、今日は僕が大学生の時代に突然やってきたラブストーリーのお話。

大学時代の僕は、それこそ酷い食生活で、金があるときはラーメン食ったり牛丼食ったり、パチンコに勝ってもっと金があるときは連日焼肉とかだったのだけど、逆に金が無い時はフリカケだけ食べて飢えをしのいだりしていました。フリカケだけだよ、フリカケだけ。ご飯にフリカケとかではなくて、素でフリカケだけをバリバリ食べる日々。

そんな風に、金があるときと無い時の差が激しいものだから、栄養のバランスがメチャクチャで太ったり痩せたりを激しく繰り返していた。

僕がまあ身長が188センチあるんだけど、太ってる時で90キロに届きそうな勢い、痩せてる時で65キロぐらい。その範囲内で太ったり痩せたりを激しく繰り返してたたからね。別に意識してダイエットしたりとかしてないのに普通に変動してた。今はまあ、78キロくらいで安定してるけど。

それでまあ、65キロとか「リエ激ヤセ!」なんか目じゃないガリガリのまま実家に帰ったりすると母親が妙に心配したり、90キロの体重で帰ったりすると母親が「アンタ!体全体が腫れてるよ!」と大騒ぎしたり。「太ってるよ」じゃなくて「腫れてるよ」だったからね。

それでまあ、激しく体重が変動するもんだから、周りの人間をいつもヒヤヒヤさせていた。太ったり痩せたりが別人のようにガンガン変わるんだもんな。そりゃあ驚くわ。

面白いもので、周りの友人ってのは僕が激ヤセしてる時は「なんか最近ガリガリに痩せてない?」とか痩せてることを指摘してくるんだけど、太ってる時って誰も指摘しないの。誰が見ても一目瞭然で「あ、太ったね」とか思うはずなのに、誰も何にも言わないの。なんとなく痩せてることよりも太っていることのほうが指摘しにくいのかな、なんて思ったりしてた。

でまあ、ある時、90キロに届きそうな勢いでマックスに太ってる時だったのだけど、夏休み明けにその体重まで太ったんだよね。夏休み前はガリガリに痩せてたのに。

でまあ、大学の友達ってのは普段から会ってるから激しく体重が変動しててもすぐには気付かないってあるじゃない。毎日見ていると変化に気が付かないじゃない。

でもね、夏休み前にガリガリで明けにマックス太りだよ。二ヶ月ぶりに会うのにそこまで太るのってさすがに気が付くじゃない。普通なら気が付くじゃない。ひと目で気が付いて「あ、太った」とか思うじゃない。

なのに、誰も指摘してきやがらねえの。太ってることは指摘しにくいのか、全然指摘してこないの。それどころか、僕と話するときなんか意味わからないんだけど妙に僕を意識して目を合わさないようにしてやがるの。どうなってるってんだ。

いやな、こっちは久々に大学の友人に会ってだな、しかも自信満々に太ってるわけで。完全に自分が太ったことを自覚して、意気揚々と大学に来てるわけ。指摘されるのを今か今かと待ってるわけなんだよ。

なのにそれを指摘されない。これはもうバッサリと散髪した次の日に、誰にも「髪切ったね」と指摘されない悔しさがあるよね。すごく腹立たしい。

なんかさ、そこまで意識して太ったことを指摘されなかったりすると、なんか太ってるのが悪いことみたいじゃない。変に意識せずにガンガン指摘すればいいのに、なんて一人で悶々と思ってた。

すると、そこにいつも同じ授業を取ってる同級生の女の子がやってきて言うんだ。

「久しぶり、なんかすごく太ったね。」

いやな、太ったことを指摘してきた女子と友達でなければ喋ったこともない。それどころか名前も知らずに、ただ単によく同じ授業を取ってる子として憶えていただけ。向こうもそんな感じで僕の名前すら知らなかったと思う。

そんな初対面の間柄で、しかも初めて交わす会話が「太ったね」だからね。濃厚に友人関係を築いていた友人達が指摘するのをためらっている中、ほぼ初対面の女の子が「太ったね」。このムチャクチャっぷり、このハチャメチャっぷり、その狂いっぷり。もうね、一瞬で恋に落ちた。フォーリンラブ。まさにラブストーリーは突然に。

それでまあ、僕のラブストーリーが始まったわけだ。

それでまあ、僕もほら、年頃の男の子じゃない。その当時は恋に心ときめかす年頃の男の子じゃない。毎日眠る前はその子とデートすることを思い浮かべながら眠りについたりとかしてたわけだよ。

でまあ、こう色々と猛然とアタックするじゃない。年頃の男だし。色々と理由をつけて一緒に遊びに行ったりとかな、理由をつけて電話したりとかな、俺はオマエのこと好いてるぜってほのかにアッピールしたりとかな。やっぱ恋ってのは人間を狂わせるもので、普段はやらないような恥ずかしいことも平然とやっちゃうんだ、これが。

そいでもって、彼女と話するときも、非常にコミカルに面白おかしく話をしてユーモアを見せつけたり、捨て猫も拾って家に連れて帰るような優しさを見せつけたりしてたわけだ。僕のようなブサイクガイってのは面白さや優しさで勝負するしかねえからな。

そういった数々の小ネタ的アタックが効いたかどうか知らないけど、僕らはいつのまにかかなり仲良くなってた。付き合ってたとかそういうんじゃないけど、一緒に遊んだりとかな。友達以上恋人未満ってやつよ。デヘヘヘ

それでも、そういった微妙な関係が続く中でも、相変わらず僕は激しく太ったり痩せたりしてたわけ。吉田栄作のドラマぐらい目まぐるしい展開で体重が変わってたわけ。

そうすると、その友達以上恋人未満の彼女も心配するじゃない。激しく体重が増えたり減ったりしてるけど大丈夫?って心配するじゃない。そうこうするうちに彼女が言うわけだ

「そんなに体重がメチャクチャなのは、食べ物が良くないからだよ。コンビニ弁当や牛丼ばかりとか、フリカケだけとかゼッタイダメだよ、自炊しなきゃ」

そんなこと言われても、僕が自炊しても台所が修羅場と化すほどエライことになるし、金が無い時はフリカケしか食べられないし、って彼女にイイワケすると、彼女が言うの。

「しょうがないな、じゃあワタシが作りに行ってあげる」

聞きましたか、奥さん!?

姉さん!事件です!

ってなもんですよ。ハッキリ言って激しく興奮した。有り得ないほど興奮した。だってさ

料理を作りに来る→部屋に来る→ウチの台所で料理→当然裸エプロン→もうOK→変な棒出したり入れたり

ってことでしょ!?さすがに裸エプロンはないにしても、もう変棒出し入れはOKみたいなもんじゃない。確定みたいなものじゃない。なんかの本にも「部屋に来るのはOKサイン」とか書いてあったし。おセックスしようよって言ってるものじゃない。

もうね、僕ちゃん張り切っちゃって張り切っちゃって、「よーし俺様の海軍仕込みのおセックスみせちゃうぞー、やっちゃうぞー」とか意気込んでた。なんやねん、海軍仕込みのおセックスて。

でまあ、狂ったように部屋を片付けたりして彼女の到着を待ったわけだ。ティンポ臭くないかな?とか自分で必死に臭いを嗅いだりして待ったわけだ。そいでもって彼女がやってきた。我がアパート、ちょっぴりイカ臭い僕の部屋に彼女がやってきた。

ドア開けると、入り口のところに彼女が立っている。買い物袋ぶら下げてやってきた。「おっす」とか言いながらやってきた。もう入り口の時点で射精する勢いなんだけど、俺様はグッと堪えたね。ここが堪え時だって真剣に思って。

部屋に彼女を招き入れ、軽い談笑の後に料理を始めてくれたんだけど、考えることはおセックスのことばかり。やっぱり部屋に来るってのはOKサインなんだよな、いいんだよな、いいんだよな、とか悶々と考えていた。

それでまあ、彼女の料理が完成して、テーブルの上に運ばれて来るんだけど、ほら、ウチのテーブルってコタツとテーブル共用だから低いわけよ。彼女はちょっとかがみながら料理をテーブルに置くわけ。その際にチラリと彼女のシャツとバディの隙間が開いちゃって、ほのかに緑色のブラが見えるわけだ。

ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!とか興奮するんだけど、それどころの騒ぎではなくて、なんか彼女も見栄を張ってかちょっと大きめのブラをしてたみたいでな、なんかブラとバディの間にも隙間が見えるわけだよ。乳首が見えるわけ。

それはもう綺麗な綺麗な乳首でのぅ、なんというか乳首が綺麗とかそういう問題ではなくて、乳首を形成する細胞の一つ一つが綺麗とかそういった趣だった。

もうね、部屋に入ったからOKサインとか、そういうみみっちい次元のお話ではないよ、これは。もう明らかに彼女は僕を誘っている。メスのカマキリのように僕を誘ってる。

興奮しすぎて、おセックスとかやりたいとかそういうんじゃなくて、乳首が目に焼きついているうちにオナニーとかしたかった。むしろ彼女にオナニーを見せつけたい衝動に駆られた。「よーし、海軍仕込みのオナニー見せちゃうぞ」といった気概だったね。なんやねん、海軍仕込みのオナニーて。

でまあ、その後の展開のことが気になって気になって、彼女の手料理が美味かったのか不味かったのかなんて憶えてなくて、それどころか何の料理だったかも覚えてなくて、考えることは変棒をインサートとかできるのかどうかといったことばかり。

料理を食べ終わった後に、二人の間に無言の時が流れるわけだ。

シーンと静まりかえった、重苦しくて沈痛で息苦しい、なんとも気まずい空気が。

まずい・・・・なんか切り出したほうがいいのかな?おセックスに持ち込めるような話題を切り出したほうがいいのかな?でも、なんて?「おセックスでもしますか?」とあたかも人生ゲームでもやろうかといった感じで切り出すのか?それとも、もっとロマンティックに詩的に「君の心の琴を僕に奏でさせてくれないか」とかいうのか?それだったら「尺八を吹くかい?」の方がストレートでいいかもな

などと悶々と考えてますとね、彼女が言うわけですよ

「ちょっと鏡を貸して欲しいな」

いやね、何で鏡を貸して欲しいのか、それが何を意図するサインなのか全然わかんねーんだけど、とにかく貸してくれって言われたものは仕方ないじゃない。

でもね、ウチに鏡ってないのよ。普通に鏡がないの。こんなブサイクなツラなんて、ガラスとかに反射して見るだけでも嫌なのに、鏡に映すなんてとんでもないじゃない。だからウチには鏡なんてないの。あるのは風呂場にバシーンと張ってある大きな鏡一枚だけ。アパートにデフォルトでついていた一枚だけ。

「いいけど、風呂場にしかないよ」

とか言うと、彼女は「それでも構わない」と駆けるようにして風呂場へと向かいます。

もしかして、これってOKサイン?ほら、ドラマとかでもあるじゃない、おセックスする時ってシャワーとか浴びるじゃない。もしかして、彼女は鏡にかこつけて風呂場に行き、それに乗じてシャワーとか浴びるつもりじゃないのかな?もしかしたら、次出てくる時はバスタオルを体に巻いちゃったりして「恥ずかしいから電気消して」とかそんな状態かもしれない。

うおおおおおおおお!!おセックスは間近じゃねえかとか思いながら興奮していると、

「キャーーーーー!!!なにコレ!!!!」

という彼女の悲鳴。

何事だ!?彼女のピンチか!?風呂場で一体何が!?と彼女の元へと駆けていきました。

すると、彼女は風呂場の隅っこで小犬のようにガクガクと震えていました。彼女とは対角の隅に置いてある物体を見てガクガクと。

一体何が・・・!?とその視線の先に目をやると、あってはならないものがソコに。

いやね、ほら、僕ってばウンコとか漏らすじゃない。漏らさないまでも、豪快なオナラをした反動でちょっと実とか出ることあるじゃない。そうするとね、ほら、パンツにナニがつくわけよ。こういうことは日記に書きたくないんだけど、やっぱりついちゃうわけよ。

そういうのっては、やっぱり洗濯しなきゃいけないんだけど、洗濯機に入れて他の洗濯物と一緒に洗っちゃったりしたら、他の健全な洗濯物にまでウンコが伝染しそうじゃない。綺麗にするために洗濯してるのに、ウンコで侵されちゃ実も蓋もないじゃない。いや、実はあるけど。

だからさ、そういったウンコチックなパンツは、洗面器に水を張ってその中に入れて風呂場に放置することにしてたんですよ。そうすることによって次第に汚染されたパンツは浄化されていき、いつしか洗濯機に入れることができるレベルまで綺麗になるわけ。

それでまあ、彼女の視線の先には、その洗面器に浸されたウンコパンツがあったわけだ。悪いことに、かなりパンツのウンコが洗面器の水に溶け出した状態で、水がまっ茶色になってた。問答無用、手加減なしにまっ茶色。その中にプカプカ浮かぶチェックのマイパンツ。もう見てらんない。

彼女が来るって言うんで、エロ本も畳の裏に完璧に隠した。エロビデオも天井裏に完全に隠した。なのになんでウンコパンツを処理し忘れるかなー。「ハハハ、海軍仕込みのウンコ付きパンツ見せちゃうぞー」とかおちゃらけても修復不可能。なんやねん、海軍仕込みのウンコ付きパンツて。

風呂場の片隅、ものすごく青い顔しながら「信じられない」といった表情で茶色い水に浸されたパンツを見つめる彼女を見て思ったね、この恋終わったと。

もちろん、その後はものすごく気まずい雰囲気で、当然ながらとても変棒出し入れとか望める感じではなく、それどころか友達以上恋人未満の関係も、いや友達の関係すら危ないんじゃないの?って感じでした。

「じゃあ、そろそろ帰るね」

予想通り、逃げるように我がアパートを後にした彼女は、その後大学でであっても話しかけることも、目を合わせることもしてくれませんでした。それどころか一緒の授業を取ってくれなくなった。

僕の儚いラブストーリー。

そう、ラブストーリーは突然に始まるのだけど、

ラブストーリーは突然に・・・終わる。

それが恋ってものなのさ。

その後失恋のショックで激ヤセした僕は、62キロと軽い体重記録を更新しました。

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