スキャナ

スキャナ

Date: 2002/12/13

我が職場に、ついにスキャナが導入されました。

書類や紙に書いた絵、さらには写真なんかもモリモリとパソコンに取り込めちゃったりするんです。すごいよね、もはや文明の利器だよね。さすが21世紀だとか思うよ。

それでですね、朝っぱらから職場では、みんながスキャナを取り囲んでワイワイガヤガヤとやってるんですわ。初めてコーラのビンを見た原住民みたいにワラワラとスキャナに群がっておりました。

そいでもって、そのスキャナは僕のパソコンに接続されてるもんだから、みんながこぞって僕のパソコンに向かってるわけなんですよ。

みんな、ひっきりなしに思い思いの書類や写真なんかを取り込んでですね、仕事に使ったり、データとして保存したりしてました。ホント、自分の仕事が出来ねえつーの。スキャナごときではしゃぎやがって、田舎者どもが。

でもまあ一時間も経ちますと、やっとこさスキャナ祭りも終わりになり、皆それぞれのデスクへと戻って行きました。これで僕のデスクも解放され、やっと仕事ができると席についたその時でした。

B子さんです。B子の登場です。ゴーレムのようで、岩のような顔をしたB子が接近してきやがりました。肩パッとしているようなものすごい肩幅して、クビに血管を浮き立たせながらやってまいりました。

ヘラクレスのような体に似合わず、小さくなってコソコソと忍びのような素早さで僕のデスクに接近してきたB子は、ヒソヒソ声で

「すいません、この写真を取り込んでくれませんか」

とか言いながら、どこから持ってきたのかV6の岡田君のプロマイドを差し出してきました。

「私のパソコンの壁紙にしたいんです」

とか言うではありませんか。

「あ、はい、いいですよ」

普段からB子さんを怒らせてばかりいるので、こういう時に機嫌をとっておこうと快く承諾。早速取り込んであげます。

爽やかな岡田君の笑顔は、見る見るとパソコンに取り込まれ、画面上に表れてきます。

「キャ!素敵」

とかいうB子は無視して、黙々とその画像をB子のマシンへと送信します。

「終わったよ」

と言ってプロマイドを返すと、B子はものすごい不気味な笑顔をしながらさらに大量のプロマイドやら雑誌を切り取ったヤツやら、仏壇に入ってたような大量の岡田君を出してきやがりました。

スキャナが今日入荷することを知っててワザワザ持ってきたのか、いつも持ち歩いているのか知りませんが、とにかく狂気じみたほどに岡田君がいました。

「これ・・・全部取り込むの?」

と唖然としていると、B子はニッコリと微笑みながら

「だって、いっぱい画像がないと壁紙にならないじゃないですか」

とか言うではないですか。

なんか、いっぱい岡田君が分散したような壁紙が欲しいみたいです。

めんどくせーなーと思いつつも黙々と大量の岡田のヤロウを取り込んでいく僕。さらに、あれやこれやとB子に指示されながら、その画像をファッショナブルに配置し壁紙を作ってあげます。

「うーん、その画像は斜めにして右に」

「それはちょっとしたかな」

「それは小さめでいいかも」

「あ、この写真すごく気に入ってるの。もっと目立つように大きく」

などと、口うるさく指示してくるB子にイライラしながらも、従順に指示通りに写真を配置していきます。あー、それにしてもホントにイライラする。岩みたいな顔を近づけて指示しやがって。イライラする。

おまけに完成品を見てB子の一言。

「ちょっとコレじゃあ淋しいかなあ。OKADAとか文字入れてよ」

それを聞いて、あー俺、コイツと刺し違えてもいいかな、って思ったね。それほど腹が立った。それでも僕は大人でジェントルメンですから、怒りをこらえて注文どおりに「OKADA」とかポップな字体で描き加えるんですよ。グラデーションとか使ってモダンにナウく仕上げるんです。

それでやっとこさ満足してくれたB子。喜んで壁紙を僕製作の岡田君にしてご満悦のようです。

とにかくに、みんなはしゃぎすぎ。あくまでも職場に導入されたスキャナな訳だから、私用に使っちゃいけないと思うのですよ。そりゃね、スキャナなんて消耗品を使うものではないですから使っても使っても減るものではないのですよ。

でも、仕事は仕事。プライベートはプライベートで割り切るべきなんです。立派な社会人として公私を混同せずに凛とするべきなんです。

だから、好きなアイドルやら岡田君を取り込むなんてのは言語道断なんですよ。全くけしからんですよ。

とにかく、けしからんみんなのスキャナフィーバーやB子さんの壁紙作りも終わりました。やっとこさ僕のパソコンも解放され、仕事の専念することが出来ます。

さあ、頑張って仕事しよう。

とりあえず、辻加護写真集を全ページ取り込む仕事から。

名前
コメント