時速300キロのラブレター

時速300キロのラブレター

Date: 2002/05/05

ふと思った。何で僕は街を歩けば変人に出会うのだろうか。普通の人はそこまで変人を見かけないような気がする。なのに僕はしょっちゅうだ。もはや変人を見ることが珍しくもなんともない。明らかにおかしい。どうにかならないものか。

この原因の一つに、僕自身に変人を惹きつける「何か」があると考えられる。僕の体から発せられる変人スメルが変人達の脳髄を揺さぶり、僕に引きつけられる。そして僕の目の前で変な振る舞いを見せてくれ、日記のネタにしてくれる。なんとも迷惑なような有難いような。

もう一つの考え方として、「実は全員が変人」という案もある。みんな何かしら変な部分は持っていて、たまたま僕は興味本位に他人を観察し、積極的に関わろうとする性質なので、その人間の狂ってる部分をクローズアップしてしまう。つまり多くの一般人の変な部分を掘り起こしているのではないだろうか。

とまあ、難しいことは抜きにして、今日も変人の話です。今日は静岡の変態仲間が「ゴールデンウィークだし遊びにこいや、交通費は出すから」とかやけに太っ腹なこと言いやがるので、新幹線に乗って静岡まで行く所なんです。相変わらず新幹線内で日記を書く癖が抜けない僕です。

で、普通に新幹線に乗って窓際とかに座ってるんですけど、明らかに変な人しか僕の隣に座らないんですよ。いやね、僕ってば指定席とか取ってるから逃げるわけにもいかんのですよ。我慢して変人を観察するしかない。

もっと他に清楚な若い女子大生風の生娘(ブーツ着用、広末似)のような人が隣に座ってくれても良さそうなものですが。まずあり得ません。大概が変人や狂人ばかりです。そういや以前は隣がレスラーのような大男で泣きながら新幹線の座席に押しつぶされたこともありました。ハッキリ言って僕はかなり新幹線の座席運が悪い。

で、今日も新幹線に乗ってると次から次へと変人が僕の隣に座ってくるんですよ。

最初に広島で座った時に隣にいたのはサラリーマンでした。なにやらポマードの匂いがプンプンしやがるヤロウです。で、コイツは座席に座った瞬間に寝ましたね。のび太のように一瞬で寝た。しかも高いびき。しかもヨダレ。しかも寝言。新幹線内でここまでリラックスして眠れるやつも珍しい。

しかもその寝言が

「マライヤキャリーがパティーにくんな、とか虐めるんだよ」とか

「ハゲだって生きる権利ぐらいあるさ、それを課長は分かってない」

「クイズ歳の差なんて、に出場したい」

とかおおよそ関連性のなさそうな意味不明なワードのオンパレードでした。一体どんな楽しい夢の国へ旅立ってしまってるのか。

しかも彼、テーブルの上に置いてあるキップを見るとなんか「広島~博多」まで乗る模様。

逆方向なんですけど

これ、東京行きなんですけど・・・しかも指定席なんですけど・・・熟睡しているその席はあなたの席ではありませんよ・・・・。

結局彼は新神戸で目覚め、自分が逆方向に乗ってしまった事に気づき、慌てて下車していきました。明らかに狂ってる。

で、新大阪から乗ってきたのは、珍しく女性でした。いつも僕の隣に座るのはオッサンと相場が決まってるのですが、久しぶりに女性の隣ですよ。狂おしい狂おしい。

で、女性はなんか僕の横に座ってブツブツと独り言を呟いてました。聞き取りにくいのですが、真剣にその独り言に耳を傾けてみると

「マユちゃん、新幹線にのれちった。はやーい、はやーい」とか言ってます。

かなり電波の疑いありです。

そういや、なんか見た目も変です。この女性、決して若くはなく年のころは30代中盤ぐらいに見えるのですが、明らかにファッションが10代です。ガラスの10代。ピンクのフリフリとか着てます。「そういえば変」どころのレベルではありません「明らかに変」です。

で、その変な女性は、独り言が一通り終わると、バサッとか座席についてるテーブルを下ろし、カバンの中から便箋とペンを出して手紙を書き始めました。ペンの色はショッキングピンクの蛍光でした。明らかに狂ってる。

で、モジモジと手紙を書いているのですが、物凄く大きな文字で便箋一杯に書いてるんですよね。見たくなくても丸見え。字を大きく書く傾向って確かなんかの症状の表れでしたよね。まあ、とにかく、どんな内容の手紙だったのか紹介しましょう。

「森君へ」

いまからわたしは新幹線にのちって、森君にあいにいきませう


怖い・・・怖すぎる。冒頭から何やらただならぬ気配を感じます。ってか森君宛ての手紙を何故、森君に会いに行く道中に書くのか・・・。狂っている人の思考回路は分からん。さてさて、続きを読んでいきましょう

森君はこの手紙を読みなさい。

その時はマユはこの世にいない


おかあさーん、怖いよ怖いよ。なんか森君のことが心底可哀想になってきました。僕がこんな手紙もらった日にゃ発狂して泣きます。「手紙を読みなさい」だからね命令だよ。読まなきゃこの命令も読めてねぇつーの。しかもその後に続く言葉は自殺予告か?ありえない。嫌過ぎる。こんな手紙だけは死んでも貰いたくない。

しかもなんかね、書きながら物凄い幸せそうな顔してるの。すげえ怖い。

で、手紙の最後は

森君と一緒に死にたい

で締めくくられていました。すげえ怖い。僕は森君の生命が心配でなりません。
一体彼女と森君の間に何があったのか気になって仕方ありません。こうなったらいっそのこと、彼女が降りる駅まで尾行して、事の行く末を見守ってやろうかとも思ったのですが、そういうわけにもいきません。僕は静岡で降りなければいけない。

どうやら彼女は東京まで行くようでした。

東京にお住まいの森君、ちゃんと生きてますか?

マユちゃんと森君の行く末が心配でなりません。

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