幸せのカタチ

幸せのカタチ

Date: 2002/04/08

さてさて、魅惑の初デートなんですが、「俺は本気だ、初デートはオチをつけない故に日記にも書かない」と豪語したわけなんですが、とりあえず書くこととします。オチがつくつかないは別として。

なんていうか、ネゲットした僕の相手は東京の人な訳で、僕ははるばる二週間前に東京に行ったというのに、再度新幹線で東京へ向うこととなりました。「patoめ、東京と広島で遠距離恋愛しやがって」とか思う人もいるかもしれません、「また東京に行くぐらいの時間と金があるなら何故九州や北海道、北陸に行ってオフ会をやらないんだ」とお怒りのヌメラーもいるかもしれません。

しかし、僕かてしょせんは人の子。ラバーズが「会いたい、東京まで来て」というならば大車輪の如き勢いで行きますし、「死んで」というなら笑顔で死にます。つまりはずべてはラバーズのためにということですよ。スーパー非モテサイト管理人もしょせんは人の子。なんていうか、暴走族のリーダーを勤めてた非行少年が、同じくレディースのリーダーやってたヤンキー娘と結婚し、子供をもうけたら急に真面目になって定職につきバイクにも乗らなくなった。そこで彼は言うわけですよ「俺も守るべき家族が、愛するべき家族が出来て丸くなった。これからは真面目に生きて行きます」ってね。それと同じだよ。よくわからんけど。

で、話を自分のことに戻すんですが、昨日の日記はデイトに向う前の新幹線の中で書いたものなんですが、寝坊し服の下にはパジャマ、頭にはネグセがバリバリ伝説と途方もない体たらくぶりでして、なんとか新幹線内の洗面所で顔を洗って髭を剃って、パジャマを脱ぐことに成功しました。

で、目指すは華の都大東京です。愛する人が待つ東京です。

なんとか新幹線が東京駅に着き、僕は待ち合わせ場所である新宿を目指します。そして新宿駅で恋人の登場を今や遅しと待ちます。

なんていうかな、土曜日の新宿な訳だ。映画の看板の下に座ってると、多くのカップルが待ち合わせしてるわけだよ。

「ごめん!待った」

「遅いぞ~芳江~」

「ごめんごめん、電車が混んでて」

「関係ないだろそれは。罰として今日の昼飯は芳江の奢りな」

「えー。高志が奢ってくれるっていってたじゃん」

「遅れる方が悪い」

「それよりさ、さっきすっごくカワイイスカート見つけちゃってさ、買ってよ高志~」

「話をそらすなよ~、まあでも・・・買ってあげてもいいかな」

「わーい、高志大好き」

というようなベタな恋模様、待ち合わせ模様が周りのカップル達によって繰り広げられているわけですよ。なんか「だーれーだー?」とか言って後ろから目隠しとかしそうな勢いです。まったくどうなってんだ最近の若者達は。けしからんカップルどもだ!とか怒るんですけど、今や僕もその新宿待ち合わせカップルの一員なんですよ。恋人を映画の看板の下で待つ男、その中に溶け込んでいるわけです。これは途方もない違和感ですよ。

で、これから来るべき彼女攻略のために作戦を練るわけなんですよ。彼女が僕のどこに好意を抱いてくれたのか知りませんが、少なくとも彼女がヌメラーであることから考えて「変態的でクレイジーなpatoさん」というものに期待を抱いていると思われます。

つまり、僕がいくら気取ってスマートにカッコイイ男を演じた所で結果は見えているのです。オサレな場所でデートし、夜はオサレなショットバーで軽く飲む「君の瞳に乾杯。フォーリンラブ」とか自分を偽ってカッコよさを演出してもなんら意味はない。

大切なのは裸の自分。自分らしさというものです。いつもの自分で、何も足さなく何も引かない。そんな素の自分というのが大切なわけです。つまり「今回は本気だぜ」と意気込んではいるものの、特にこれと言った作戦はないわけなんです。いつもの自分。下手に都会派を気取って「俺は東京生まれヒップホップ育ち」とか言っても意味がないんです。田舎生まれ田舎育ちのバカでドジなクレイジーpatoさん。それいでいいんです。

そんなことを悶々と考えているとついに彼女登場

なんか待ち合わせの時間に遅れそうだった彼女は走ってきたみたいでなんかハァハァ言ってました。萌ェ。

「ごめん、待った?」

「膳膳」とか言いそうな勢いです。実際には結構待ったんだけど気を使って待ってないと言う。これこそデイトの醍醐味ですよ。醍醐味。

で、狂おしいほど新宿デートですよ。なんか2人で街をブラブラしたり都庁に上ったりとかしました。いやね、僕高い所ダメなんですよ。高い所は怖くて怖くてやってらんない。でも、デートとなれば話は別です。もう上ったね、かなり上った。

都庁の展望ルームから東京の町並みを堪能しました。どこまでも続く町並み。並び立つ高層ビル群。やはりこの街は狂っている。だけど今はそんなことはどうでもいいんです、僕はこの狂った街東京でデートしている。狂おしいほどにデートしているのです。いったいどこがどうなったらこうなるのか自分でも分からないぐらいです。いやはやサイトやっててよかった。

で、腹も減ったのでさちさん(ヌメラー、Fカップ)のバイトする飲食店に行って少し遅めの昼食となりました。なんかさちさんは元気イッパイで仕事をしていたので安心しました。で、いちおうさちさんと共に働く同僚が食事を運んで来た時に「さちをよろしくお願いします、仲良くしてやってください」とか頼んでおきました。俺って気が利く。

で、飯も食い、さちさんにも別れを告げてお台場に行きます。なんか僕、手を繋いで歩いたりとかしてるんです。手を繋いで歩いたりとかしてるんです。手を繋いで歩いたりとかしてるんです。

あのね、世のカップルは手を繋いだりとかして歩くのは普通じゃないですか。僕はそれをずっと見てきたわけなんですよ、一人で。それが今はどうだ、コノヤロウ。俺が女の子と手を繋いで歩いたりとかしてるんだぜ。もうどうなっちゃうんだ俺は。

お台場もお台場で僕は何度か行ったことあるのですが、デートで行くのは初めてです。なんていうか1人で行く時とデートで行く時って景色が違うのな。なんていうかお台場が美しい。

もちろん、お台場と言えばデートのメッカです。カップル達も沢山いますし、皆がそれぞれイチャイチャしています。なんか開放的なイタリア人カップルとか明るいうちからとんでもないことしてたもんな。もうすごいとこだよ、お台場は。

で、僕達もブラブラとお台場を手を繋いで歩いてるわけですよ。なんていうのランデブーっていうかなんていうか、天気もよかったしとにかく歩いてたね。そしたらなんかカップルだらけのお台場に似つかわしくない1人の男がいるんです。

なんか買い物袋持ってカップルだらけのストリートを1人で歩いている男がいるんです。やや伏目がちでカップル達を見ないように歩いているんです。どことなくデジャヴですよ。ええ、彼は間違いなくネゲット前の僕と同じなんです。

カップル達のメッカを一人で歩き、その憎悪を全てのパワーに変換する。きっと彼はそんな想いでお台場を歩いていたに違いありません。なんと頼もしい。とても素晴らしい、応援したい。とか思うんですけどふと気がつくと僕も手を繋いでお台場を歩いているんです。つまり、僕すらも彼の敵になってしまっている。

なんかね、すごく寂しかった。僕はネゲットして既に向こう側の人間になってしまった。それが良いのか悪いのか正解は誰にも分からない。だけど、唯一つ言える事、それは自分自身が望んだことであるのだから僕は幸せ。

きっと1人でカップルストリームを練り歩く彼だって幸せなはず。カップル達にめげず自分を主張する行為は「寂しい」とか「かわいそう」だと思われがちだが、実はそれはそれで楽しい。僕はそれを十分に知っている。

人それぞれの幸せのカタチ。独り身の時は独り身のときの。カップルの時はカップルの時の幸せがきっとあるんだ。とりあえず僕はその彼に「彼女が欲しいならサイトをやるんだ、サイトをやればウハウハだぜ、この娘はサイトでゲットしたんだ」とアドバイス。そんな僕はきっと浮かれているんだと思う。

で、ショイポリスに行ってモーニング娘。のアトラクションを堪能したり、お化け屋敷みたいなのを堪能したりとかしました。ムチャクチャ怖かった。僕はかなりヘタレだったと思います。おしっこ漏らしそうだった。

なんか、お化け屋敷では、歩いていくと変な人形とかがグアーッとか出てきたり、煙がブシューとか出てくるんですが、ムチャクチャビックリするじゃないですか。なんで金払って怖い思いしなきゃいけないのか未だに理解できない。

で、何が嫌かって、そのお化け屋敷みたいなの最後はグロい怪物のお面かぶったバイトの学生が後ろから追いかけてくるんですよ。ウォァーーーーとか追っかけてくるんです。心臓が止まるかと思った。で、彼女なんかビックリしてサンダルが脱げちゃったんですよ。

そしたらなんか、そのお面をかぶったお化けがサンダルを拾ってくれたんです。このお化け、ムチャクチャいい人なんです。

「ムチャクチャ親切じゃないすっか、お化けさん」

とか僕が話しかけるとちょっとお化けさん照れてました。お面の上からでも照れてるのがわかった。で、彼女がお化けに「出身はどこですか?」とか訳のわからんこと聞くんです。そしたらお化けは

「カンボジア」

とか寒いこと言ってました。ちょっと修行が足りない。で、最後はお化けと「頑張ってください」「お幸せに」と涙涙のお別れ、いや、いいお化けだった。

で、そのうち夜も更け、夜景が綺麗な時間となりました。なんかナントカブリッジとか綺麗に照らされていて幻想的です。東京の町並みの夜景も凄い。

思うにね、夜景ってのは人間のエゴなんですよ。圧倒的な科学力を誇り、地球上の支配者として君臨する人類。だけど大自然だけは未だにコントロールできない。自然災害には勝てないし、地震や噴火も怖い。さらには異常気象など起こった日には目も当てられない。雨が降ることも避けられなければ夜が来ることも避けられないんです。

大自然に対する人間の抵抗。それがネオンなどによる夜への抵抗になって表れているわけです。夜景というものは人間の力の誇示な訳です。俺達はこんなに繁栄してるぞー!というメッセージなんです。そしてそれが人間のエゴ。本当に人間というのは狂っている。

などと淡々と彼女に話したらつまらなさそうな顔してました。まいった。

で、そのエゴたる夜景が最高に綺麗だと言うので、ナントカタウンに行って観覧車に乗ることになりました。観覧車ですよ観覧車。夜景に観覧車。ムチャクチャカップルじゃないですか。

非モテな僕と夜景と観覧車。全然繋がらないんです。

観覧車に乗り、綺麗な夜景を見ます。点滅するビルやタワーの赤いランプ。煌くテールランプの列。そしてレインボーブリッジ。自然とムードはRomanticになり、見つめあう2人。もう言葉は要らない。そして重なり合う二つの影。

そんな展開が容易に想像できます。

いいのか、いいのか、俺はそれでいいのか。そんなにRomanticでチューとかするんか。とか思うじゃないですか。ってかな、Romanticとかそういうの以前に俺は高い所が怖いんだよ。観覧車乗ってる時に旅客機が突っ込んできたらどうするんだよとか思うわけなんですよ。

それよりも、僕が観覧車に乗りRomanticなムードに身を委ねる、そんなベタな展開で多くのヌメラーたちは喜ぶのだろうかとか思うわけなんですよ。僕は根っからのエンターテイナーですからね。ってかよく考えたらヌメラーってとんでもない、俺の不幸を望んでるなんて。

やはり、ベタな恋模様だろうがなんだろうが、それはそれで僕自身の幸せのカタチなんです、きっと。不幸を望むヌメラーには悪いが俺は乗らせてもらう、観覧車に乗らせてもらう。そしてRomanticに身を委ねて・・・・。

とか思って葛藤しながら観覧車に向うとムチャクチャ人が並んでました。カップル率8割強。なんか40分待ちとかみたいです。仕方なく並んで待つわけです。

なんか並ぶ場所にはテレビが置いてあってこの観覧車の建設の歴史とか放映してるんですけど、なんかムチャクチャ映像が古いんです。この観覧車は三年前ぐらいに完成したはずなのに映像が古すぎる。なんか画面が荒れてて俗に言う「映像に雨が降ってる」という状態です。なんか大阪万博の映像を見せられているような気分になってきます。

おいおい・・・この観覧車大丈夫かよ・・・

とか思うじゃないですか。しかもその古い映像を見てると、建設しているオッサンが観覧車のボルトを手で閉めてたりするんです。おいおい、そんなアバウトなのかと・・・。高所恐怖症な僕はかなり不安になってくるんです。かなりブルー。

まあ、それは置いておいて、やはり並んでいる時も手を繋いだりとかするじゃないですか、カップルですから。で、ただ待ってるのも暇なので二人で色々喋ってるんですよ。そこで彼女が言うわけですよ。

「ねね、握力ってどれぐらいある?」

とか。とてもカップルらしい会話です。そこで僕は言います。

「そっちはどんぐらいあるの?ちょっと力いっぱい握ってみてよ」

すると彼女は繋いでいた手を力いっぱいに握り始めました。しかしそこは握力20ぐらいしかないという彼女です。握る力もチンケなもの。ハッキリ言って萌ェだよね。非力な女性モェ。

「ははは、全然痛くないよ」

とか僕は余裕の笑みですよ。そしたら彼女

「じゃあ今度は思いっきり握ってみて」

とかいうんです。実にカップルっぽい。もう2人は最高の雰囲気なんですよ。例えば、カッコイイダンディパパなどはウリャーとか腕に軽々と子供をぶら下げて己のマッスルを誇示したりするじゃないですか。アレと同じですよ。

僕は思いっきり彼女の腕を握り、握力を誇示。そして「やっぱり男の人って力強いんだ、素敵」と瞳を濡らす彼女。それこそがカップルの力比べの醍醐味です。そしてここで上手い具合に僕の力を誇示しておけば今後の観覧車内のムーディな展開にも有利に。よし、ここは是非とも僕の握力を誇示しておかねば。

「うん、じゃあ思いっきり握るよ」

そういって僕はフルパワーで彼女の腕を握りました。

バキバキボキバキボキ

悲痛な音をたてる彼女の手のひら。苦痛に歪む彼女の表情。なんか僕はとんでもないことをしてしまったうようです。そういえば、僕は異常に握力が強いことを忘れていました。力の加減も忘れて思いっきり握力を誇示、きしむ彼女の手の骨。なんか彼女泣いてます。泣き叫んでます。手が痛い痛いと泣いています。

もうね、雰囲気最悪。良いカップルムードが一転して険悪なムードに。僕の初デートはやはりオチがついてしまったようです。やってらんない。

どうやらヌメラーの人たちが祈った甲斐があったらしく、僕は初デートでミステイクを犯してしまいました。もうね、泣きたい気分です。やってらんない。でもでも・・・それでヌメラーが喜んでくれるなら・・・僕はもしかしたら真のエンターテイナーかもしれない。

春うらら 初デートも 夢と散る (pato)

名前
コメント